肘の褥瘡136日目、
またまた1コマ戻る、です。
処置直後のベストな状態を保っているかのように見えたアルの肘の包帯ですが、
今回も何がしかの理由で患部に圧迫があったようです。
緩く巻けばズレる。
ズレると包帯が患部を圧迫する。
ズレが無くとも動けば擦れる。
擦れるとせっかく出来た皮膚がめくれる。
寝たきりなどで、同じ体制でいると腰や肩などの骨が出た部分が体重の圧迫により血行不良となり周辺組織に壊死を起こします。
これを褥瘡といいます。
健康な体でも力の加わり方により一時的に出来てしまうことがあります。
当然、組織に対する負荷が除かれれば治っていきます。
褥瘡は「傷」です。
表皮(皮膚の表面)は外界から体内を護るために抵抗力を強く持った組織です。
「傷」というのは、この表皮が障害を受け本来なら外界に触れるはずのない組織がむき出しになった状態をいいます。
傷は治ります。
傷が出来る→肉芽組織が増殖し創面を覆う→その上を表皮細胞が滑るように移動し傷をふさぐ
この過程を阻害する要因を排除する ことで傷は治ります。
表皮の下の組織は外気にさらされて乾燥するだけで障害を受けるほどデリケートです。
傷の表面は白血球やマクロファージといった免疫細胞が組織内を自由に移動し活動し、傷を細菌感染から守っています。
これらの免疫細胞は乾燥した場所へは移動が出来ないため感染防御の仕事ができなくなると同時に、
これらの細胞自身も乾燥のため死滅します。
消毒薬は一時的には細菌数を減らしますがそれを上回るデメリットとして細胞を傷害する作用があります。
密封された包帯の下では、皮膚組織が再生を始めます。
消毒をせず、乾燥を防いで、ドレッシング材などを利用しながらの治療である「湿潤療法」を行うことで、
本来生体が持っている治癒のスピードに戻します。
私にアルのために何かできることはありますか?
先生に、何度となく問いかけました。
完治しないのは、生活環境か?アルの免疫力か?と原因をたずねます。
いつも先生は申し訳無さそうにお答えになります。
アルちゃんは肉芽も上皮化も、前進、後退などを繰り返しつつもじぶんの力で行っているので
アルちゃんの身体がどうこうということではありません。
そのお言葉に、毎回救われながらも、そのお言葉に、うなだれます。
それなら何故治らないのだろう?
焦って欲張りになってしまう飼主です。
上皮化が順調となって安心し、「よもや」と気を抜きました。
上皮化の邪魔をしたのは、飼主です。
ときどき ゆれますが、私
先生を信じてます。
母しゃん「毎日通院するというのはどんなものでしょうか?」
先生「打開の糸口にはなるかと思います」
わすれちゃったけど、だいたいこんなかんじのお言葉だったかな
明日から毎日通院します。
記:VITOの母しゃん